感動を呼ぶ、新郎新婦に絶大に感謝される友人代表スピーチの作り方

感動を呼ぶ、新郎新婦に絶大に感謝される友人代表スピーチの作り方

最近、結婚式で友人代表のスピーチを任された知り合いにアドバイスを求められたので、その時に伝えたことをブログにも残そうと思います。

アドバイスをするにあたって、他の人がどんなアドバイスをしているのかを調べようと「結婚式 スピーチ」で検索したのですが、とても重要なポイントがすっぽり抜けている記事ばっかりだったので驚いてしまいました。

「おいおい、それじゃいいスピーチなんてできないぞ…」

この記事にたどり着いてくださったあなたには、お礼にその重要な3つのポイントをしっかりお伝えしますので、参考にしてくださると嬉しいです。

その1:主役は新郎新婦、ではなく聴衆(オーディエンス)である

結婚式(の披露宴)は、主役が新郎新婦だと思われがちですが、それは違います。ここを間違えるとスピーチの全体像を根本的に見誤ってしまい、どんな内容でも聴衆の心に響くことはありませんので注意してください。

そもそも披露宴の目的は新郎新婦が「周囲への感謝」を表現することです。
親やお世話になった上司、古くからの友人たちなどに「皆さんのおかげで二人は結婚することができました」ということを伝えるために企画されるべきものです。

ゆえに、全てのコンテンツは「ゲストのため」に用意されます。当然、友人代表のスピーチも「ゲストのため」に行われます。

つまり、友人代表のスピーチは新郎新婦に向けて話すのではなく、その会場に新郎新婦を祝福しに来ている全ての人に向けて話さないといけないのです。スピーチの構成を考える上では、ここは絶対に外さないでくださいね。

その2:新郎新婦の「人間性」を伝えるのがコツ

結婚式においてのスピーチの主軸は、新郎新婦の素晴らしい人間性を紹介することに置くと良いでしょう。

新郎側の友人代表としてスピーチするなら、新婦側のゲストに「新郎がどれだけ魅力的な人物であるのか?」友人という立場がかゲストにプレゼンテーションをするようなイメージを持ちましょう。

それによって新婦側のゲストが「私の大事な友達(あるいは部下や家族)は本当に素敵な人と結ばれたのね、おめでとう」と心から祝いたくなる、これが友人代表のスピーチの最終的な着地点になります。

その3:エピソードの選び方のコツ

この考え方を元にして、自分の「新郎(新婦)に感謝を伝えたい」という思いが乗っかるエピソードを選べると最高です。

自分がどれだけ新郎に感謝しているのかを語ることによって、間接的に新婦側のゲストに新郎の人間性が伝わり、それを聞いた会場のゲストたちは「素晴らしいヒトと結婚できた新婦」を祝福できる、というわけです。(新婦側の友人代表スピーチの場合はこの逆)

感動を誘うエピソードの選び方

具体的には新郎(新婦)の誠実さや優しさがリアルに伝わってくるようなエピソードを選ぶようにしましょう。
具体的には「あなたがいてくれたおかげで今の自分がいる」という結論になるものが良いです。

  • 自分がピンチの時に見返りを求めずに助けてくれた
  • あなたと出会いで自分の人生が変わった
  • あなたの存在がどれだけ自分にとって心強かったか

などなど、自分がその人に対して最も思い入れのあるエピソードをチョイスし、新郎(新婦)に対して感謝の意を評しましょう。

この時に、新郎(新婦)の人柄を「説明」するのはあまりよくありません。
例えば「学生時代にクラスの取りまとめ役になり…」であるとか「会社内のムードメーカーとして…」と言ったポジションを語るのは得策ではありません。

なぜなら「説明」は押し付けがましいですし、ヨイショしていると受け取られかねないからです。

そうではなく、あなたとのエピソードを通じて、聞いてる側が「リーダーシップのある人なんだ」「ムードメーカーなんだ」と思えることの方が大事なのです。

間違っても「笑いを取りに行かないこと」

注意しなくてはならないのが、友人としてのエピソードを語る時に、二人にしかわからないネタを選ばない、ということ。

不特定多数の人間の笑いを取るというのはかなりの高等技術ですし、仮に笑いが取れる自信があっても、それはゲストのためでもなんでもありません。内輪ネタなんて特に最悪です。

ええカッコしたいがために笑いを取ろうなんて思っているその魂胆は、必ず会場の人間には漏れなくバレていると思ってください。

繰り返しますが、友人代表のスピーチの目的は、ゲストに向けた新郎新婦の「人間性」のプレゼンテーションです。エピソードの紹介をした結果笑いが起こることはありますが、それは「狙いに行くべきものではない」のです。

友人代表スピーチのサンプル

以上のことを踏まえて、私が親友の友人代表のスピーチをするとしたら?と仮定し、そのサンプルを描いてみました。(プライバシー保護のため、多少のフェイクが入っております)

〇〇くん、△△さん、この度はご結婚、誠におめでとうございます。(新郎新婦が立ってる場合は、『どうぞおかけください』と一声かける)

新郎の中学・高校時代の同級生である川口美樹と申します。本日は、〇〇くんの結婚を友人代表としてお祝いできることを心から嬉しく思います。またこのような機会をいただけたことに感謝を申し上げます。

〇〇くんは実は、私の中学生生活で「一番最初に話しかけてくれた」人でした。その時から十数年経って、このような場に立っていることにとてもご縁を感じています。

同じサッカー部として所属した初日、お互い「キーパー」というポジションを希望し、練習を開始しました。しかし元来飽きっぽい性格の私は、そのあとキーパー以外のポジションも転々としましたが、〇〇くんは高校引退をするまでずっとキーパーというポジションを変えることはありませんでした。

私の飽きっぽさはキャリアにも現れ、私は進学校に行きながらも芸大に進み、芸能界を経て起業いたしましたが、〇〇くんは中学入学当初からずっと医師の道を目指しており、現在見事にその夢を叶えております。

大学生になっても私はアルバイトをいくつも経験しましたが、〇〇くんは同じ勤務先でずっと勤め上げ、先輩や後輩からも慕われる存在になっていました。

その一貫した姿勢、言ったことはやり続ける姿勢は本当にすごいなといつも思います。

〇〇くんが研修医であった頃、私は起業にチャレンジしいくつもの挫折を味わっていました。
〇〇くんは「みてたのか?」と思うほどに不思議といいタイミングで「久しぶりに飲みに行こうよ」とメッセージをくれました。

実際に飲みにいくと、お互いの仕事や近況の話はほとんどせずに、本当に学生時代と変わらない〇〇くんでいてくれました。

本人は意識していたかどうかわかりませんが、起業に失敗して「親友に合わせる顔がない」と感じていた私にとって、その「素になれる自分」でいられたことが、当時の自分にとってどれだけ助けになったかわかりません。

私の人生にとって、〇〇くんという「本当になんでも話せてしまう友達がいるという事実」がものすごく支えになったことは言うまでもありません。

繰り返しになりますが、なんでもヒョイヒョイやることを変えてしまう私とは対照的に、〇〇くんは私にとって最初から自分の意思と人との関わり方を変えない、とても信頼できる友達です。

きっと△△さんへの思いも、これから何年経ってもずっと変わらないでしょうし、私にそうしてくれたように△△さんにもし何かあった時にも「飲みに行こうぜ」と笑い飛ばしてくれるのだろうと思います。

改めて親友に生涯のパートナーができたことを心から祝福したいと思います。

〇〇くん、△△さん、この度はご結婚本当におめでとう。

よくわかる解説

これは実際に僕の親友を想定して書いたものなのでかなり生々しい内容になっていますが、どういう意図でこのような構成にしたのかを解説します。

まず新郎の人間性をプレゼンテーションする上で「初志貫徹」の軸のブレない男であることをテーマに据えています。(これは本当にそう思っています。)

そしてそれを証明するようなエピソードを彼との思い出からチョイスしました。それが、「医師になるという目標を達成した」事実と「キーパーのポジションをやり続けた」事実です。

またそれを強調するために、私自身の彼とは対照的な部分を取り出し、コントラストとして浮かび上がらせています。(これはちょっとした演出ですのでここまで真似しようとしなくても大丈夫)

そして最後に、そんな彼の人間性が今後の二人のパートナーシップにとって最良の結果をもたらすと言い切り、まとめに入っている、といわけです。

ちなみにこれはプレゼンの構成で使う、PREP法(結論→理由→事例→結論)という構成を応用しています

感動のスピーチまとめ

まとめます。

  1. 主役はオーディエンス。オーディエンスにも向かってスピーチしよう
  2. 聴衆が結婚をお祝いしたくなるように、新郎新婦の人間性をプレゼンするつもりで
  3. 笑いは控えめに、自分とのエピソードでその人間性を伝える
  4. 最後は新郎新婦への感謝の言葉でしめる

以上、友人代表のスピーチを考えるときのコツをお伝えしました。上手に自分と相手との関係性に当てはめて、感動できるスピーチを作り上げてくださいね。

川口 美樹

俳優業からの独立。現在は執筆・企業研修・ワインのインポート・300人規模のイベント運営などいくつか個人でやっています。子育てする時間も欲しいので、株式投資や不動産の分野も勉強中です。気軽にフォローしてくださいね。