
最近こんな話を聞いた。
彼氏が彼女の悪い部分を言わずに我慢してきたものが、ある時に臨界点を越えて、「もー我慢できない。ずっと言わないできたけど、お前のそういうところが嫌いなんだ!」と言ったそうだ。
彼女は、「我慢してくれていたのに気付けなかった」と後悔していたそうだが、果たしてこの場合、被害者は彼氏なのだろうか?
NOである。
むしろ逆だと言ってもいい。彼女が被害者であり、彼氏が加害者である。
彼氏は彼女に気にくわないところがあった。それを彼の「優しさ」ゆえに言わずに我慢してきたというが、我慢している時点で「優しさ」ではなく、「怠慢」である。
なぜか?
ふたりの関係を良好なものにするという前提があるのであれば、彼女の気に入らないところを黙っている、という彼氏の行為は、その目的と真逆の道を進んでいるからだ。
おそらくこの彼女は、2人の間が気まずくならないように彼氏が「気をつかっていた」とことを優しさと認識しているようだが、
彼氏が指摘をしなかったのは「面倒くさかった」からに他ならない。
彼女の悪いところを指摘して、彼女が不機嫌になるのも面倒くさいし、それによって自分が不快な思いをするのも面倒くさい。だから言わなかったのである。
その証拠に、我慢ができなくなった瞬間に、言ってしまった。
本当の優しさであれば、我慢しない。それを彼女らしさと認め、自分を変えていく方法を選ぶ。
しかし彼氏は自分が変わらない選択をし、彼女に変わる期待をした。彼女に指摘をすることもせずに。
それは、無理ゲーである。
その人のことを思えばこそ、言う、のが優しさであり、
自分の怠慢の言い訳に、言わない、のは優しさとは言わない。
彼氏は単純に、ふたりの関係を良くすることをサボっていたのである。