婚活市場は、結婚を促すことに全く成功していないのでは?
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婚活市場は、結婚を促すことに全く成功していないのでは?

失恋のイメージ
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世の中に数多ある、マッチングアプリや街コン・結婚相談所などのサービスのうち、男性の方が利用料金が低いサービスってどれくらいあるのだろう?

もし、それらのサービスが、1組でも多くのカップルが生まれるために運営されているのであれば、男性の利用料金をいますぐに下げるべきではないだろうか。
 
なぜか?

それはもちろん、「結婚をしたがっている男性が減っている」からだ。

結婚したがらない若者たち

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最近の若者と言われる20~30代は、とにかく結婚したがらない。

明治安田生活福祉研究所の調査によれば、

20代では「できるだけ早く結婚したい」「いずれ結婚したい」との回答が、男性で3年前の67.1%から38.7%に減少。女性は82.2%から59.0%に落ち込んだ。
30代では男性が40.3%、女性は45.7%でいずれも10ポイント以上減った。” 

そうだ。特に20代の男性の結婚への意識の低さは、日本の未来を悲観的にしか想像できないほどで、マジでやばい。とにかく所得が低すぎて、子供産むのかとか家庭を持つとか無理だから!って思っているのだ。

さてさて、世の中の婚活およびそれに類するサービスに目を向けると、ターゲットはほぼ女性になっている。

婚活市場はターゲットを男性にすべきだ

きらびやかな花嫁姿を映し出した式場のポスターに始まり、

ハネムーン商品は女性が好みそうなプランをふんだんに用意し、

渋谷のスクランブル交差点で流れる○○シィのCMには花嫁のみがドアップで映し出される。

それが悪いわけじゃない。実際に消費をするのは女性だし、企業の戦略としては正しい。
 
ただし、それらの広告に刺激された彼女が持ってくる商品を見て、世の中の男性たちは「高っけぇ」「なんでこんなもんに金かけてるの?」と感じている。俺も結婚式の高砂に用意する花が5万円とか聞いた時は、アホかと思った。

企業が女性へのニーズを喚起すればするほど、男性の結婚へのモチベーションは下がっていく。
  
これが、現在の日本の婚活市場のジレンマ(だと僕が勝手に抱いている偏見)だ。ちなみに、マッチングアプリの売上は男性会員からの会費がほとんどだが、これは、男性が結婚したくて払ってるお金とは言い難い。
 
女性の皆さん、男性のフェイスブックに流れる恋愛マッチングアプリの広告がどのようなものか知っているだろうか?

十中八九、「ニット素材の部屋着・巨乳・生足」のトリプルコンボ画像(および動画)だ。
 
つまり男性向けには、イチャコラしたいニーズの喚起しかしおらず、男性はその「ワンチャン」にお金を払っているのであって、その多くは結婚相手を探すために払っているわけではない。
 
そこに結婚相手を探している女性を当てているわけで、よくそれで「マッチングアプリ」を名乗れるよなと思う。

婚活市場で疲弊する女性たち 

さて、こうなってくると困るのは、婚活女性だ。
 
恋愛コンサルタントは、「結婚相手を探すのが婚活なのではなく、結婚するのにふさわしい自分になるために、女を磨くのが婚活なのよ」とアドバイスをする。
 
ぼく自身もそう思うし、相手を探すだけの婚活なんて殺伐してやだなとは思う。しかし、現実は、女を磨いても結婚できるわけではない。

なぜなら、繰り返しになるが、そもそも結婚したい男性が減っているからだ。

需要が少ないということは、商品の質がいくら上がろうとも売れない、ということを意味する。

 
もちろん、質が上がれば、より購買力の高い層へのアプローチは可能なのですが、そのマーケットは限定的だ。 
 
じゃぁどうすりゃいいのよ、っていう話になるのだが
僕は結婚への意識をそこまで高めない方がいいのではないか?と思う。
 
僕の周りの事例でしかないので、説得力はないが、
 
結婚したいーー!!って感じで婚活してた人より、「うーん、なんかこの人かなって何と無く思ったんだよねー。」ぐらいのライトな感じで結婚した人の方が、今のところ楽しくやっておるようだ。

これからの婚活市場のあるべき姿とは?

結婚指輪のイメージ
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逆に火を焚き付けなきゃいけないのは、男性の方で。結婚するということへの価値を感じていないわけなので、そこの意識変えないと、女性が疲弊するばっかりになってしまう。
 
こないだ20代の男の子に聞いたことだが、
 
「街コン8,000円?行かねえって。」
「マッチングアプリ、月額4,000円?Netflix4社契約できますよ」って言われ、なるほどと思ったものだ。

結婚というものにNetflix以上の価値を感じていないのだろう。これは間違いなく婚活市場の戦略ミスだと言わざるを得ない。
 
 
これからの時代は男性に、結婚の楽しさやメリットを伝えて、出会いの場に行きやすい価格設定にしないと、本当の意味でのマッチングは難しくなるんじゃないかなと思う。

そのためには副業解禁なんて当たり前。所得増えないと結婚したくもならないのだから。

女性の働き方を考えるのも大事だけど、男性の稼がせ方も考えないと、日本の人口は増えて行かないんじゃないのではないだろうか?

川口 美樹

俳優業からの独立。現在は執筆・企業研修・ワインのインポート・300人規模のイベント運営などいくつか個人でやっています。子育てする時間も欲しいので、株式投資や不動産の分野も勉強中です。気軽にフォローしてくださいね。