
「B層」。そんな言葉を聞いたことがありますか?
2005年、小泉内閣の進める郵政民営化政策に関する宣伝企画の立案を内閣府から受注した広告会社「スリード」が、小泉政権の主な支持基盤として想定した概念である。
スリードの企画書では国民を「構造改革に肯定的か否か」を横軸、「IQ軸(EQ、ITQを含む独自の概念とされる)」を縦軸として分類し、「IQ」が比較的低くかつ構造改革に中立ないし肯定的な層を「B層」とした。
B層には、「主婦と子供を中心した層、シルバー層」を含み、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を何となく支持する層」を指すとされる。
上記の企画書がネット等を通じて公に流布されたため、資料中に使用された「IQ」という知能指数を示す語や露骨なマーケティング戦略が物議を醸すところとなり、国会でも取り上げられた。
引用 – Wikipedia
簡単に言うと、当時の小泉政権は郵政民営化を実現させるために、
「具体的なことはわからないけど、小泉総理のキャラクターを支持する」人たちに向けて、自民党をぶっ壊すとわかりやすいメッセージだけ刷り込ませて 支持を強めていった、ということです。
このB層の人たちの特徴として
自分の意見を持たず、マスメディアなどの情報に操作されやすい人たち
ということがあげられるそうですが、
僕はこの単語を初めて聞いた時、過去の自分を思い出しました。
ファスティングマイスターになる前の僕

僕はファスティングマイスターになる前まで完全にこのB層だったと自覚しています。
もうまさに、自分の意見を持たず、マスメディアなどの情報の操作されやすい人、でした。
肌荒れにすごく悩んでいた頃、
インターネットで調べた情報を元に皮膚科を決め、
1回の治療に2万円することに何の疑問も持たず、
ニキビに”良さそう”な洗顔料を使っていました。お医者さんが進めてくれた60mlで5000円もする化粧水を買っていました。
その結果ニキビはほとんど治らなかったわけですが今考えると、いわゆる専門家、の人のいうことを真に受け、いかに自分が「勉強したつもり」になっていたのだと思います。。。
マイスターになってから当時を振り返ると背筋が凍る思いがします。
当事者の話を聞くことの重要性
話変わって、
以前「公益社団法人助けあいジャパン」という、福島県の復興事業をやらている財団法人の方にお話を伺う機会があって
「いま福島県の人たちが、当事者ではない僕たちに最も望んでいることって何ですか?」と聞くと、その方は
「忘れないことと、何度も足を運ぶこと」
とおっしゃっていました。この時僕は、「あぁ、またB層だったなと思った」わけです。
僕は復興に関しては、いろんな著名人のTwitterやブログなどを読んでとにかく経済を潤すことが、僕らが優先すべきことだと思っていたのですが、
現地の人は「忘れないで欲しい」ということを一番に思っていることに衝撃を受けました。
そういう面で言えば、
インターネット上などで原発再稼働反対のデモをしていた人たちは、
自分たちが被災地の声を「代弁している」と信じていたのではなく、それは思い込みにすぎなかったことを認めなくてはいけないと思います。
被災地の人たちが望んでいることは、「私たちの代わりに原発再稼働反対を叫ぶこと」ではなかったのです。
”具体的なことはよくわからないけど、こどもの未来を守るために、デモに参加する”
この、具体的なことはよくわからない、状態のまま何かを主張することの危うさは、誰しもが気をつけなくてはいけないことだと思います。
それは、物事の本質を見逃すことになるかもしれません。本質を見極めるためには、当事者である人に話を直接聞かないことには、話が始まらないんですね。
これからは「情報力」がテーマになる

これから先の未来、ありとあらゆる場所で、情報を得る機会がどんどん増えてきます。インターネット上には情報が溢れ、何が正しく何が正しくないのかを見極めるのが非常に難しくなります。
その中で何がもっとも大事な情報なのか?それを見極めることができなければ、情報格差はより一層広まっていくばかりでしょう。
その見極める力、つまり一次情報を取りに行く、という「情報力」こそ、この先の未来に求められるスキルなのかもしれません。