Fコードの壁

人が変化をするときは、徐々にではなく、一瞬である

なぜ僕らはFコードが弾けるようになったのか?

Fコードの壁

FirmBee / Pixabay

 

「成長」をイメージするとき、多くの人は「右肩上がり」のグラフをイメージする。

ビジネスの売り上げや、統計のグラフを見るときに、右肩上がりのグラフをよく目にするからだろう。実際に企業の売り上げや、大局的な変化は徐々にゆっくり変化することが普通だ。

しかし、人間が成長するときは違う。

例えば、ギターを弾き始めたときにほとんどの人が出会うであろう最初の関門、「Fコード」。これは初見殺しである。どうやって人差し指の力だけで、あの弦を全部押さえることができるのか、最初は全くわからない。

それまで「Cコード」や「Gコード」で鳴っていた「ジャラーン♩」といった響きが鳴らずに「ギゴッ」とか「ガギャ」みたいな音しか鳴らない。このとき憧れのミュージシャンをコピーしたくてギターを始めた中学生の心は一度確実に折られる

しかし、そこで諦めずに来る日も来る日も(といっても2〜3日ぐらいだが)、Fコードに立ち向かう。その度に「ギゴッ」とか「ガギャ」としか奏でないギターに苛立ちを覚える。ただ、Fコードを弾けることによって広がる世界を夢見ながら。

そして、あるとき、いきなり弾ける。

しかも綺麗に。「ジャラーン♩」が鳴るのである。

昨日まで弾けなかったのに!!??なぜ!!??

そう人間的な成長はいきなりやってくるのである。人間の成長というものはそういうものである。徐々に成長していくものではない。

うまく行かない時期がずっと続いて、あるときふとできるようになる。この「待ち」の期間が必要である。

だから多くの人は、途中で挫折する。あの日、Fコードで挫けたように。

ただ、もし、人間的な成長は決して右肩上がりではなく、急にやってくるものだと事前にわかっていたとしたら?人間的な成長には、「ギゴッ」期間が必要だとわかっていたら?

そう、うまくなるには「弾きまくる」しかないのである。とにかく、短期間でギアをあげて集中的に弾きまくるのだ。指をつりそうになりながら、綺麗に鳴らないとわかっているギターを手にしなくてはならないのだ。

これを一日置きとか三日置きにやると、なかなか弾けるようにならない。

繰り返しになるが、徐々にうまくはならないのだ。重たい腰をあげて一気に弾きまくる。そうするとすぐ弾けるようになり、あとが楽しくなる。

そうやって初めて僕らはFコードを鳴らすという成功体験を得ることができるようになるのだ。

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